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ときがわ町:2つの橋が土木遺産、建具会館、短い県道

〈場所:埼玉県比企郡ときがわ町 散歩日:2023年1月26日〉
ときがわ町(旧都幾川村・旧玉川村)は、埼玉県の中部やや西側に位置し、都幾川に沿った東西に長い形状。町の大部分は外秩父山地に属する。
今回は、ときがわ町方面に用事があり、それならば折角なのでどこかに立ち寄ろうと思い、事前に調べて行ったのが土木遺産の2つの橋(玉川橋、滝の鼻橋)と建具会館。

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土木学会 選奨土木遺産

自然災害から人の暮らしを守り、社会・経済活動を支える基盤をつくるとともに、良質な生活空間を実現するため、土木技術はその中心的な役割を果たしている。
公益社団法人土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し様々な活動を展開している。

土木学会選奨土木遺産」とは、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、土木学会選奨土木遺産の認定制度を平成12年に設立した。推薦および一般公募により、年間20件程度を選出している。
埼玉県においては、2022年度までで選奨土木遺産が14ヶ所選定されている。そのうちの3ヶ所がときがわ町にあり、内2つは共に100歳前後の現役の橋である。
※出典・参照:土木学会 選奨土木遺産 Webサイト 

玉川橋(たまがわばし)

・所在地:埼玉県ときがわ町玉川
・竣工年:1921(大正10)年竣工, 1987(昭和62)年度高欄改装。
・選奨年:2017(平成29)年度
・選奨理由:大正10年に完成した清流・都幾川に架る埼玉県最初のRCアーチ橋であり、景観上も優れた貴重な土木遺産である。橋長32.40m、幅員5.75m

玉川橋は、ときがわ町役場から歩いて数分のところにある。
橋の南側道路から橋を見る。玉川橋は片側(下流側)に歩道も設けられている。渡った先(北側)に歩道橋があるのは、近くに保育園や小学校があることによるのだろう。

北側にある漢字表記の橋名板。なので、こちらが橋の起点側だと思われる。高欄の開口部は、無粋なフェンスではなく優美で重厚なデザイン。

上流側から眺める所がなかったので、下流側の左岸と右岸から眺める。アーチがスッキリと美しい。河岸に降りると、カワセミが青い背中を輝かせながら飛んで行った。

ちなみに、右岸の下流側にキジのオスが散歩していた。日当たりには出てくれなかった。

滝の鼻橋(たきのはなばし)

・所在地:埼玉県ときがわ町西平
・竣工年:1925(大正14)年
・選奨年:2019(令和元)年度
・選奨理由:滝の鼻橋は、都幾川に架かる鋼製のワーレントラス橋梁であり、山型鋼をリベットで結合したトラスを用いている点が特徴。橋長21m、幅員1.8m

滝の鼻橋は、玉川橋から車で約10分、6km上流側に位置する。
当地は渓谷の様相を見せており、景観も楽しめる。橋の上流には魚道が設けられている。橋は鋼製なので部材が細く、周囲に溶け込むような感じだ。右岸下流側から。

右岸上流側からも眺める。水管?も付設されている。

橋の北側から見る。床面も鉄板敷き。歩行者専用の橋として利用されている。右側銘板に1925年7月竣工とある。

南側に渡り、やや上流からトラス美を見る。ワーレントラス構造は、上弦材・下弦材・斜材が正三角形を構成するトラス構造。標識があり、重量制限は1.0tのようだ。

なお、当日は休みだったが、近くに「TOKIGAWA BASE(ときがわベース)」という水出し珈琲専門店があり、サイクリスト達が集まる。

ときがわ町立 建具会館

県道172号から慈光寺に曲がる交差点の先(滝の鼻橋から車で2分程)に建具会館がある。
建具会館では、埼玉県内有数の生産量を誇るときがわ建具や襖・扉などの逸品が常時展示され注文も受付ける。木工小物や地元特産の農産物、町内在住陶芸家の作品・みやげ品などが品揃えされている。また、喫茶スペースがあり、訪れた時は奥様達が集まっていた。

入口手前(屋外部分)にも、多数の材や製品が置かれていた。

入店して右側の製品コーナー。杵や臼なども展示されている。

中央奥には、キッチン用品など。

右側奥には、多数の建具の見本が引出し式で見られるようになっていた。

ところで、建具会館のWebサイトでは「ときがわ建具は、慈光寺番匠の技術を伝承した職人が丹精を込めて作り上げた美しい意匠で好評」と紹介している。
「慈光寺」は、ときがわ町内の国宝のある名刹で、寺伝によると天武天皇の2年(西暦673年)に開山したとされる。また、「番匠」は、古の大工の名称。つまり、1350年前に慈光寺を建造した大工の技術を伝承した職人が、建具を作っているということだ。

また、ときがわ町には番匠(ばんじょう)という地名もある。地名の由来は、①慈光寺建造のために、工匠を呼び寄せてこの地に住まわせたとする説、②慈光寺造立のために、源頼朝が番匠免(租税を免除)として、この地に寄付したとする説。という2説あるようだ。
いずれにしても、慈光寺を建造するための職人の技は地域としても大切にされ、代々伝わって建具に活かされているということだろう。

埼玉県道で三番目に短い路線

埼玉県道188号明覚停車場線は、JR八高線「明覚駅」の近く(明覚停車場)から、県道172号大野東松山線の交差点に至るまでの県道で、総延長は約64メートル。埼玉県道で三番目に短い路線だという。

県道172号から、正面は明覚駅舎。明覚駅は「関東の駅百選」第1回選定駅。
※明覚駅のことは2023年1月13日にとりあげた

駅前のバス停、あずまや、ベンチは立派な施設だと思う。木材が活かされている。

駅舎正面右側にトイレ棟。撮影位置の後ろ側が、県道の起点になるようだ。

なお、埼玉県道で一番短い路線は、埼玉県道253号鉢形停車場線で、総延長は約43メートル。寄居町の鉢形駅前から、埼玉県道30号飯能寄居線の間を結ぶ県道である。
同じように駅から主要道路までの間が短い県道になっている。

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ときがわ町埼玉県
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