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加須市:玉敷神社 ~延喜式内社、総鎮守、植物スポット

〈場所:埼玉県加須市騎西 散歩日:2022年6月26日 10:00~〉
アジサイの風景を見に行こうと思い、埼玉県のアジサイの名所で検索すると「騎西あじさいロード」があった。当地のアジサイは約1,500メートルの遊歩道「ふじとあじさいの道」に、約1万株のアジサイが咲きほこるという。
遊歩道の西側は玉敷公園で、そこには「玉敷神社」があった。当地域の総鎮守で、久伊豆神社の本社的存在という。せっかくなので見学することにした。

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玉敷神社とは

平安時代初期に公布された当時の法制の書「延喜式神名帳」にその名が記されている由緒ある古社で、江戸時代まで「久伊豆大明神」とも称し、元荒川流域に数多く所在する久伊豆神社の本社的存在とも云われている。また、旧埼玉郡(埼玉県東部)の総鎮守であり、広い地域の住民から「騎西の明神様」の名で親しまれ、深い信仰を受けていた。

三つの鳥居、参道

神社の社殿から南側に向けて参道がある。一番南側の「一の鳥居」まで行く。
石柱の文字が枝葉で隠れているが、調べてみると「延喜式内 県社 玉敷神社」らしい。

一の鳥居をくぐり、長く真っ直ぐな参道を進む。暑いので松の木陰がありがたい。途中に「二の鳥居」がある。

さらに進むと参道は開け、左側に「旧河野邸」の門と塀が続く。神社に代々奉仕する社家で、文学博士の河野省三氏の旧宅の跡地を庭園とし玉敷公園の一画をなしている。

その先の右手には手水舎。そして「三の鳥居」をくぐる。

この日は、たまたま年中行事の「茅の輪くぐり」が行われていた。6月の最終日曜に催されるらしい。

社殿(拝殿・本殿)、狛犬

玉垣に囲まれた神域の様子。周囲の鎮守の森(社叢林)は、埼玉県の「ふるさとの森」に指定されている。

玉敷神社の鎮座地は転々としており、1627年に現在地に遷座した。
拝殿は明治31年(1898年)の修築によるものである。

拝殿正面上部。重厚感があり、重なる破風や彫刻などに格式を感じる。

なお、平成30年(2018年)に社殿と神楽殿、両方の屋根を葺き替える『平成の大改修』が行われ、金箔飾りも施されたようだ。

正面を右側に回り、拝殿・幣殿・本殿を横から見る。本殿と幣殿は文化13年(1816年)の建立。

本殿妻側の軒下、組物や彫刻が繊細で綺麗。彫刻は当時、江戸三名工の一人として言われた五代目後藤師茂右衛門の作とのこと。

拝殿前の狛犬は、カールした前髪と眉で目は奥深く、江戸狛犬というタイプだろう。
向かって左側の「吽形」は子供を連れた「子取り」で、右側の「阿形」も子供を連れ、その子は玉を持つ「玉取り」のよう。玉取りの子取り?何というのだろう。

神楽殿、境内社

神楽殿は天保7年(1836年)の建立。正面は入母屋造で側面は寄棟造。茅葺屋根で存在感がある。こちらも「平成の大改修」で葺き替えられた。

玉敷神社神楽』は、江戸神楽の原型を伝える素朴・典雅な舞から成り、400年以上の歴史がある。曲目など多くの特色を有しているため、国の重要無形民俗文化財に指定されており、年4回、祭礼の折に奉奏されている。

社殿の裏手に鎮座する摂社の「宮目神社」は、玉敷神社がこの地に遷座される(1620年頃)迄は、この社地の地主神として鎮座し「式内社」にも記されている歴史のある古社とのこと。鳥居に狛犬もある。

境内社は、天神社、琴平社、稲荷神社、八坂神社、白山神社などがある。下の画は「松尾神社」で、享保8年(1723年)に松尾大社から勧請された記録がある。その左手奥には石橋を渡って「厳島社」。

植物スポット

神社の東側に大正13年(1924年)に造成された約12,000平方メートルの神苑があり、現在は市の管理に委ねられ「玉敷公園」として整備されている。
■アジサイ
神苑や旧河野邸内などに様々なアジサイが咲き、見頃の時期には「あじさい祭り」が催される。

■大藤
神苑北東側に樹齢400年以上、幹回り4.8メートル、枝張りは約700平方メートルに及ぶ大藤がある。県指定天然記念物。花房の長さは1メートルを超え、「藤まつり」には多くの人で賑わう。

■大いちょう
境内には2本のイチョウがある。ともに樹齢は約500年と推定され、樹高は約30メートル。幹回りは5メートルと6メートルの巨樹だ。市指定天然記念物。境内が黄金色に輝く景観を見たいものだ。

■社叢林
説明板によると、玉敷神社の社叢林は関東地方の極相林として学術上極めて重要な林で、面積は約1.5ヘクタール。植物群落の遷移の各ステージを観察することができるという。

玉敷神社は、古社の趣きを味わいつつ、様々な植物を楽しめる名所だった。

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加須市埼玉県
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風彩散歩 日記

コメント

  1. ringo より:

    『玉敷神社神楽』は、400年の歴史があるのですか。素晴らしいですね。

    大藤と大イチョウの木は、お見事ですね。
    大藤が咲いているところを見たいものです。

  2. ふうさい ふうさい より:

    ringoさん、こんばんは。こういう無形民俗文化財って、まだ実際に見たことがないんです。機会があればと思いますけど・・・。
    大藤と大イチョウ、見たいですね~。知っちゃいましたからね、いつか・・・。

  3. ディック より:

    玉敷神社はその歴史を平安時代初期にまで遡ることのできる由緒ある神社なのですね。
    社殿は大改修されたとのこと。じっと見入っていて気がついたのですが、別ブログと比較すると、写真の精細度がとても高いですね。
    「あ、ここへ行ってみたいな」と思わせる力を感じます。細かいところまでよく見えると、やはり引きつける力があります。カメラが変わった? 写真のサイズの問題?
    「細部までよく見える」というのは、やはり拝見していて楽しいです。
    (メールアドレスですが、古いメールアドレスが新しいPCで使いにくくなり、いずれ廃止してしまう方針なので、新しく使っているアドレスを記載してあります)

  4. ふうさい ふうさい より:

    ディックさん、こんばんは。写真の精密度が違いますか?明るさとか簡単な調整をすることはありますが、元は同じデータです。あっサイズの違いが影響しているかもしれませんね。
    >「あ、ここへ行ってみたいな」と思わせる力を感じます。
    ありがとうございます。たまたまですかね。カメラは未だにどう撮ったら良いのか分からないです。余裕ができたら教わりたいものです。コンデジですけどね(笑)。

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