〈場所:埼玉県比企郡吉見町 散歩日:2022年9月25日〉
埼玉県比企郡吉見町は、埼玉県のほぼ中央に位置し、南部は川島町、西部は東松山市、東部は鴻巣市と北本市、北部は熊谷市に隣接する。
吉見町のプチ観光は、国指定史跡の「吉見百穴」や「松山城跡」などを観た後、同町内の「八丁湖公園」から「岩殿山 安楽寺」に。また、花見の名所「さくら堤公園」は、ヒガンバナの名所でもあると知り立ち寄ってきた。
安楽寺(吉見観音)
岩殿山 安楽寺は、鎌倉時代初期に開設された坂東三十三観音の11番の札所で、古くから「吉見観音」の名で親しまれてきた。本尊は聖観世音菩薩で、吉見観音縁起によると、今から約1200年前に行基菩薩がこの地に観世音菩薩の像を彫って岩窟に納めたことが始まりとしている。平安時代の末期には、源頼朝の弟範頼がその幼少期に身を隠していたと伝えられている。(吉見町Webサイトなど参照。以下、青字同様)
駐車場から緩い坂道を約100m歩くと安楽寺に着く。石柱に「坂東十一番」とあり、石段の上に仁王門がある。
仁王門は八脚門。県指定有形文化財(建造物)。屋根は瓦葺であったが、現在は銅板葺に改められている。こちらの仁王像は全身真っ赤。
門をくぐって左手には、手水舎~奥に薬師堂~何かの慰霊碑~弘法大師像など。
正面に県指定有形文化財の本堂。本堂・三重塔は源範頼が建立したが、武蔵松山城の落城に際してすべて消失した。 現在の本堂は今から約350年前の寛文元年に再建されたもの。
手前右側には、高さ約3mの阿弥陀如来坐像(吉見の大仏)。本殿右側に三重塔。
本堂の屋根の造りや彫刻など、目を見張るものがある。
左側にまわって角から眺める。
その奥の方に、鐘楼と八起地蔵尊があった。
本堂の右側には三重塔。こちらも県指定有形文化財で、指定番号1号(昭和28年3月)。現在の三重塔は、今から約380年前の寛永年間に再建されたもの。
総高約24.3m。軒の出が非常に深く、どっしりした安定感を感じさせる。
埼玉県内で江戸時代の三重塔は3基のみで、他は行田市の成就院(総高約11.18m)と川口市の西福寺(総高約23m)。成就院は今年の7月に訪れたが、その際に他の三重塔のことを知り、見たいと思っていたので一つ叶った。
三重塔から一段下に降りて、大仏越しの本殿を振り返る。名残惜しい。
団体さんも来ており、思っていたよりも人出があった。大河ドラマの影響があるのかもしれない。
さくら堤公園の彼岸花
吉見町東部に位置する「さくら堤公園」は、約1.8kmの桜並木の堤を公園としたもので、春にはソメイヨシノの花見スポットになっている。また、初秋になると堤の斜面にヒガンバナ(彼岸花)が咲き誇り、鮮やかな景観を見せる。
田園風景の中、並木のある堤が南北に続いていた。駐車場はその真ん中辺り。ちょうど駐車場に戻ってきた方がいたので、「初めてなので教えてもらいますか?」と声を掛け、回り方・見所を教わった。
堤体上の遊歩道は、総延長46kmというサイクリングコースの一部にもなっていて、ときどきサイクリストが気持ちよさそうに走っていく。車椅子やベビーカーでも押し易く支障は無さそう。堤の両側でヒガンバナが見られる。
主に公園の南側の西向き斜面で、密に咲いているところが多かった。
公園の南端近くで堤下に降りる道があり、戻りは西側堤下の遊歩道を進む。また違った風景が楽しめる。
堤&桜並木&彼岸花の風景は、県内では有名な幸手市「権現堂堤」に似たイメージだ。
歩いてきた遊歩道を振り返る。やや横から見ることになるので、赤い絨毯感が増す。
公園の北端近くの西向き斜面。ヒガンバナは疎らだったり、密だったり。それがよけいに野趣があって雰囲気が良い。
有名な彼岸花の名所に比べると、人の少なさがとても良い(私が訪れた日のこと)。ただ、こういうスポットに居がちなコスプレイヤーが4組ほどいた。花が密になった場所では、なかなか移動してくれないので・・・気になる。
八丁湖公園、道の駅いちごの里よしみ
◎八丁湖公園
八丁湖は、稲作のために造られた溜め池。八丁湖の周辺は散策路が整備された「八丁湖公園」になっている。春の桜から新緑、秋の紅葉、野鳥も渡ってきて四季折々に気持ちの良いウォーキングが楽しめそうだ。
その公園内に横穴墓群があるという。「黒岩横穴墓群」は、現在、30数基の横穴の存在が確認されているが、この一帯の斜面には多数の横穴墓が埋蔵しており、国指定史跡である吉見百穴よりも大規模で良好に保存されていると云われている。その総数は500基以上と推定される。
今回は、時間に余裕が無くパスしたが、また機会を設けて見に行きたいと思う。
◎道の駅いちごの里よしみ
当町は、埼玉県内有数のイチゴの産地(主にとちおとめ)で、その名のついた道の駅では「いちご」に徹底してこだわっている。
一年を通して吉見町のいちごを使ったオリジナル商品が充実。地粉使用のうどんが食堂でいただけ、地元でとれた新鮮野菜は一年を通して農産物直売所で買い求める事ができる。小さな子供から遊べる複合遊具や寝転んだりできる芝生広場など魅力満載の道の駅。
なお、平成27年(2015年)1月、国土交通省より、地域活性化の拠点を形成する「道の駅」の取組を支援するため、重点「道の駅」制度の創設が発表され、「道の駅いちごの里よしみ」が『重点「道の駅」候補』に選定されている。
吉見町に行った際には、是非立ち寄ってみてはいかがだろう。
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