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小川町:築100年の石蔵「NESTo」,分校カフェ「MOZART」

〈場所:埼玉県比企郡小川町 散歩日:2021年8月21日、2022年7月23日〉
小川町は、埼玉県の中央部よりやや西側(秩父地域の東側)に位置する。関越道の嵐山小川ICから町の中心部まで15分ほど。JR八高線と東武東上線の停車駅がある。
周囲を緑豊かな外秩父の山々に囲まれ、市街地の中央に槻川が流れる小川町は、歴史を誇る小川和紙や小川絹をはじめ、建具、酒造などの伝統産業で古くから栄えた町。
昨年と今年、小川町を訪れたので、見所を3回に分けてとりあげる。
今回は、古い建物をリノベーションし、活用することで地域に貢献している施設。

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コワーキングロビーNESTo

約100年前に建てられたという大谷石の石蔵を改修し、2021年5月に「コワーキングスペースNESTo(ネスト)」としてオープンした。サテライトオフィスやコワーキングスペース、イベントスペース、カフェとして利用できる。

ナビの案内で狭い道路から駐車所に着くと、隣に石の蔵があった。滅多に石蔵を見る機会はないので、それ自体に興味を惹かれるし、この大きさには驚いた。

駐車場の隣だけど、入口へは一旦役場通りにでて、商工会の脇から入っていく。役場からは目と鼻の先だ。出入口は石蔵の開口部をそのまま利用している。

入ると左にカフェのカウンター。右側にコワーキングスペース。その奥にはミーティングルームもある。入口正面に受付があり見学と写真の許可を得る。
壁面を囲むのは大谷石、高い天井の梁は以前のまま残し、鉄骨で内部を補強している。

受付の若い女性からいろいろご教示頂いた。元々は2階建てで天井もあったが、改修工事で天井組みが露わになり、棟木にあった大正十四年の文字で定礎が確認できたそうだ。

大谷石は宇都宮から運ばれたもの。手掘りの痕が特徴的。以前、宇都宮市の『大谷石資料館』で見たことがある。間接照明がツルハシの痕に陰影をもたらし、重厚感のある落ち着いた雰囲気を醸していた。吸音効果もありそう。

室内側の出入口は細かい格子の入った片引き戸。通常の出入りは手前の1か所のみ。

改修工事もこの出入口しかないわけで、大きなH型鋼など鋼材の搬入・組み上げがよくできたな~と感想。すると「カニクレーンを使ったんです」と、受付に置かれていたカニクレーンのミニカーを手にし嬉しそうに話してくれた。

室内には薪ストーブが置かれていたが、よく見るものと少し違う。受付曰く、床暖房併用の薪ストーブだという。天井が高いので床暖房は効果的だ。薪は町内産を利用する。

昼前ということもあり「ランチはどこで?」のような話になり、閉校になった分校を食堂にしているのが気になっていると伝えると、「隣地の霜山農場の有機野菜を沢山使っていてとても美味しいですよ。予約は?(してない)では、まずは電話してみてください」という。もちろん、駐車場に戻ってから電話した。気持ちの良い受付嬢だった。

分校カフェMOZART(モザート)

小川小学校旧下里分校は、里山の自然に抱かれた木造校舎。2011年に廃校となった後も、そのノスタルジックな景観は訪れた人々を魅了し続けている。2018年4月に用務員棟を「カフェ&移住サポートセンター」としてリノベーション、リスタートした。

分校の前の道路は、対面通行だけど一方通行のような狭さなので要注意。校門らしき所を過ぎて、砂利道の脇道に入ったら駐車スペースがあった。
校庭の角にあたる位置で校舎が見渡せる。校舎は小さいけど周囲は広々。校庭のタイヤが懐かしい。右の方にはプールもあった。雑草は少なく手入れをしているようだ。

運動場から見て、左側の棟がカフェになっていた。手前にテラス席あり。

カフェの入口は玄関のように靴を脱いで上がるタイプ。室内のテーブルとイスは昔の教室で使っていたであろう木製のヤツ。外は脇道の道路沿いで、その先の農地が見える。たぶん有機農業をされている「霜里農場」の一部であろう。

注文して待っていると店員が来て、予約席を間違えたので、店内の真ん中の席かテラス席に移動してという。雨予報だが、雨はまだ降りそうにないのでテラス席にした。

移動してみると、やはり屋外は気持ち良い。校庭の桜が近いので花期には素敵だろう。
ほどなくして注文した定食がきた。右は私の「日替わり下里定食」、左は妻の「揚げパン定食」で、それぞれ飲物が選べる。私はリンゴジュース、妻はアイスコーヒー。

いろんな種類の有機野菜が詰まっている。優しい味付け。周囲の自然・校庭を眺めながら美味しくいただいた。けっこう贅沢な環境だと実感する。

食後は分校見学をすることに。遊具はメンテナンスをしているようで使用可能だった。
校舎内は立入禁止だが、出入口や窓からは内部を覗くことができる。
隣の棟は、音楽室・多目的室・職員室、反対側に放送室、湯沸・印刷室の表示あり。

窓から覗いた教室には、黒板に「のんのんびより」と絵が描かれていた。後で調べたところアニメの舞台になったらしい。後ろの方には映画にも使われたようで写真が飾られていた。机にかけた帽子や棚のランドセルが、今も現役のような“らしさ”を醸す。

見学を終え、たぶん川も近いのでは?と東側に50mほど歩いていくと、キレイな川(槻川)に着いた。水遊びもできるではないかと思う。
ノスタルジックな雰囲気に身体に優しい食事。目の前には遊具と広場(運動場)、さらに水遊び・釣りもできそう。大人も子供も楽しめそうだ。

ちなみに、小川町のWebサイトによると、「Mozart」(モザート)は、地区名の「下里」(しもざと)を表し、また、音楽家モーツァルトの英語表記でもあり、地域食材などを交響曲のようにハーモニーとして寄せ集めて提供していくという意味を込めている。

閉校した校舎は全国にあり、地方における過疎化のみならず少子化に伴う児童生徒数の減少等により、毎年相当数の廃校施設が生じている。卒業生にとって想い出のある校舎は、その地区にとってのレガシーだと思う。できれば残したいところだが、当地では一部とはいえ有効に活用できている。これがこの先も引き継がれることを願う。

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埼玉県小川町
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風彩散歩 日記

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